航空法では全重量が「200g未満」を模型航空機として定義されていますが、リモコンで操縦するためには電波法により規制されています。無線局の解説や無線従事者資格が必要な模型航空機がありますので、注意が必要です。
なお、電波法では模型航空機として区別されていないので、無人航空機と同じように規制されています。
電波法による模型航空機に与えられている周波数帯[i]
無線局免許や無線従事者資格が必要な周波数帯
総務省は模型航空機を含む無人航空機(ドローン)に対して、その操縦や画像伝送のために使用される周波数帯のうち、無線局免許や無線従事者資格が必要なものは次の3つと想定されています。いずれも、操縦用画像伝送用データ伝送用で、無人移動体画像伝送システムとなっています。
- 169MHz帯
- 2.4GHz帯
- 5.7GHz帯
ここでは、同じ2.4GHz帯を用いていても、電波出力が無線局免許のいらない場合の10mW/MHzに比べて最大1Wと大きくなっています。そのため、より遠距離で、信頼性の高い操縦ができますね。
しかし、実際は10mW/MHzは1MHzあたりの出力ですので、例えば無線LANでは20MHzの占有周波数帯域幅の場合、10mW/MHz×20MHz=200mWと出力があり、思った以上の操縦距離を得ることができます。
しかし、操縦が無線LANではなく、周波数ホッピングをしている場合は、混信に強く、通信は安定しますが、占有周波数帯域幅は通常1MHzですので、3mW/MHzに制限されています。そのため、操縦距離は余り望めませんね。
さて、これらの周波数帯を業務で使用する場合、模型航空機は「携帯局陸上移動局」として無線局を開設しなければなりません。また、「第三級陸上特殊無線技士」以上の無線従事者免許が必要です。
また、無線局の開設には、その模型航空機が、日本の技術基準適合証明を受けていれば、比較的容易に開設許可が得られることでしょう。これも免許がいらない場合と同様に「技適マーク」が貼付されている機種があるので、注意が必要です。
アマチュア無線従事者資格が必要な周波数帯
特に、映像のリアルタイム性を追求するドローンレースでは、FPS(First Person View)のために5.8GHz帯を使用してドローンが撮影した映像をリアルタイムで操縦者のゴーグルに表示させています
ドローンレースはホビーの範疇ですので、アマチュア無線に割り当てられている5.8GHz帯を使用することになります。当然操縦者は第四級アマチュア無線以上の資格を持っている必要があります。
さて、日本でのドローンレースをご覧になったことがあるでしょうか。多くても3人でレースをしています。これは5.8GHz帯で同時に使用できる電波は3チャンネルですので、その制約から一度にレースは最大3人までとなっているからです。[ii]
おわりに
模型航空機を、ホビーとしてより本格的に楽しむ方も、業務として利用される方も、無線局免許や無線従事者資格が必要です。特に無線従事者資格は難しいと考えがちですが、小学生でも取得していますので、最初から諦めずに資格を取得し、模型航空機ライフを楽しみましょう。
[i] 「ドローン等に用いられる無線設備について」 総務省ホームページ、https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/drone/
[ii] 「アマチュア無線によるFPVドローンの体験利用について」 総務省ホームページ、https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/drone/experience/